山本産婦人科(三重県津市)の老人保健法・老人保健事業についてのページです。

更年期・老年期婦人のQOL

厚生労働省が発表した平成15年簡易生命表によると、男女それぞれ10万人出生に対する65歳の生存数は男性85,320人、女性93,010人となっています。これは65歳まで生存する人の割合が男性で85.3%、女性で93.0%であることを示しています。さらに、同様の計算からは、80歳まで生存する人の割合は男性で54.5%、女性で76.3%となっています。
平均寿命の国際比較でも女性85.33歳は長寿世界一であり、男性78.36歳もアイスランドに次いで世界第2位であるのが現況(2003年データ)です。そして、この男女差から言えることは、妻は夫に先立たれた後、約7年は長生きするということです。
たしかに長生きすることはすばらしいことではありますが、問題は“自立して、いかに充実した生活を営めるか”ということではないでしょうか。最近ではQOL:Quality Of Life“生活の質”という言葉がはやっていますが、“寝たきり”にならないで、“呆け”ないで生き生きと健康寿命を全うすることが、まさに最善のQOLではないでしょうか。
昭和57年8月に老人保健法が成立し、政府は“健康日本21”を国民的な運動として推進してきていますが、重点的に取り組む疾患として、第1に死亡や生活の質の低下をもたらす脳卒中心臓病糖尿病を、第2に脳卒中と心臓病の危険因子である高血圧および高脂血症を、第3に高齢者の生活の質に深くかかわる痴呆骨粗鬆症歯周病を挙げています。
“「老人」保健法なんて私にはまだまだ関係ない!”と考えているあなた、保健事業は40歳以上の人が該当していることをご存じだったでしょうか!

次に老人保健法の概要を記載しておきますから、1度目を通しておかれてはいかがでしょうか。

老人保健法

老人保健法は、「国民の老後における健康の保持と適切な医療の確保を図るために、疾病の予防・治療・機能訓練等の保健事業を総合的に実施し、もって国民保健の向上及び老人福祉の増進を図ること」を目的としています。
同法に基づく保健事業には、1)健康手帳の交付、2)健康教育、3)健康相談、4)健康診査、5)医療等、6)機能訓練、7)訪問指導があり、市町村が実施主体となって実施されています。
対象者は、医療等については75歳以上の人および65歳以上75歳未満の寝たきり老人などであり、その他の保健事業については40歳以上の人となっています。

つまり、老年期のQOLを良好に保つためには、少なくとも壮年期(40歳代)から始める“美しく老いる”ための日々の努力が大切なのではないでしょうか。
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保健事業の概要

平成16年5月現在
種類 対象者 内容
健康手帳の交付
●老人健康法の医療の受給資格がある者
●健康診査の受診者、要介護者等で希望する者
○医療受給者証および医療の記録ならびに医療の記録の補足
○健康診査、健康教育、健康相談、機能訓練、訪問指導の記録
○生活習慣行動等の把握
○生活習慣病の予防および老後における健康の保持と適切な医療のための知識等については、市町村が創意工夫し作成



・個別健康教育






・集団健康教育






・介護家族健康教育
●基本健康診査の結果「要指導」の者等





●40歳以上の者
●必要に応じ、その家族等





●40歳以上の者のうち、家族の介護を担う者等
○個人の生活習慣を具体的に把握しながら、継続的に個別に健康教育を行う
・高血圧 ・高脂血症 ・糖尿病 ・喫煙者

○健康教室、講演会等により、以下の健康教育を行う
・歯周疾患 ・骨粗鬆症(転倒予防) ・病態別 
・薬 ・一般

○介護を行う者に発生しやすい健康上の問題に関する一般的な知識や留意事項



・重点健康相談
・総合健康相談
・介護家族健康相談
●40歳以上の者
●必要に応じ、その家族等
○幅広く相談できる窓口を開設し、以下の健康相談を行う
・高血圧 ・高脂血症 ・糖尿病 ・歯周疾患 
・骨粗鬆症 ・病態別
○対象者の心身の健康に関する一般的事項に関する指導、助言
○家族等の介護を行う者の心身の健康に関する指導、助言
健 康 診 査
基本



・基本健康診査










●40歳以上の者









○必須項目
・問診・身体計測 (身長 、体重等)・理学的検査(視診、打聴診、腹部触診等)・血圧測定・検尿(糖、蛋白、潜血)・循環器検査<血液化学検査>(血清総コレステロール、HDL−コレステロール、中性脂肪)・肝機能検査(血清GOT、GPT、γ−GTP)・腎機能検査(血清クレアチン)・血糖検査
○選択項目[医師の判断に基づき実施]・心電図検査・眼底検査・貧血検査(赤血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値)・ヘモグロビンA1c検査
・訪問基本健康
 診査
●40歳以上の寝たきり者等
○基本健康診査の検査項目に準ずる
・介護家族訪問
 健康診査
●40歳以上で家族等の介護を担う者
○基本健康診査の検査項目に準ずる
歯周疾患検診
●40、50、60、70歳の者
○検診項目・問診・歯周組織検査
骨粗鬆症検診
●40歳および50歳の女性
○検診項目・問診・骨量測定
健康度評価
◆生活習慣病の予防に関する健康度評価
◆介護を要する状態等の予防に関する健康度評価
◆生活習慣行動の改善指導
●40歳以上の者
○生活習慣行動質問票および社会、生活環境等質問票の配布
○質問票の回答結果および基本健康診査の結果等ならびに問診等の方法による食生活、運動、休養等に関する個人の生活習慣を把握、評価し、当該対象者にふさわしい保健サービスを提供するための計画を策定
○個人に即した具体的な生活習慣改善方法の掲示
受診指導
●基本健康診査の結果「要医療」等と判定された者
○医療機関への受診指導
肝炎ウィルス検診
節目検診(5歳刻み)
「40,45,50,55,60,65,70歳で老人健康法に基づく基本健康診査の受診者」



節目外検診
「上記節目検診以外の対象者のうち、過去に肝機能異常を指摘されたことのある者、広範な外科的処置を受けたことのある者または妊娠・分娩時に多量に出血したことのある者であって定期的に肝機能検査を受けていない者、および、基本健康診査においてALT(GPT)値により要指導とされた者」
○C型肝炎ウィルス検査
・HCV抗体検査
・HCV抗原検査(必要な者のみ)
・HCV核酸増幅検査(必要な者のみ)
○HB抗原検査(必要な者のみ)

(注)節目検診については基本健康診査とあわせて実施
機能訓練
A型(基本型)
●40歳以上の者で、疾病・外傷その他の原因による身体または精神機能の障害または低下に対する訓練を行う必要がある者
○市町村保健センター等適当と認められる施設で実施
・転倒予防、失禁予防、体力増進等を目的とした体操
・習字、絵画、陶芸、革細工等の手工芸
・レクリエーションおよびスポーツ、交流会・懇談会等
B型(地域参加型)
●虚弱老人(寝たきり判定基準のランクJに相当するもの)
○集会場、公民館等の身近な施設や公園等の屋外で実施
・スポーツや絵画・工芸等の創作を主体とした活動
・交流会、懇談会および地域の諸行事への参加等を主体とした活動
訪問指導
●40歳以上の者であって、その心身の状況、その置かれている環境等に照らして療養上の保健指導が必要であると認められる者
○家庭における療養方法等
○介護を要する状態になることの予防
○家庭における機能訓練方法、住宅改造、福祉器具の使用
○家族介護を担う者の健康管理
○生活習慣病の予防
○関係諸制度の活用方法等
○痴呆に対する正しい知識等