山本産婦人科(三重県津市)の不妊症における卵管閉塞・マイクロサージャリーについてのページです。

不妊症の原因と治療の進め方

第4段階

卵管疎通性の評価

子宮卵管造影法により卵管の疎通性に問題がある場合は、卵管采周囲癒着や卵管采部の閉塞であれば、腹腔鏡下卵管形成術が行われます。さらに複雑な障害がある場合は、顕微鏡下卵管形成術(マイクロサージャリーが行われ、術式には1)癒着剥離術、2)子宮内卵管移植術、3)卵管端々吻合術、4)卵管開口術、5)卵管采形成術などがあります。
最近では、マイクロサージャリーを行うことなく、体外受精・胚移植などの生殖補助医療(ART)へ進む機会も増えてきていますから、両者の長所と短所をよく理解しておくことが大切でしょう。

マイクロサージャリーと体外受精・胚移植の長所と短所

  長所 短所
顕微鏡下
卵管形成術
・自然妊娠可能
・適応により50〜60%の
 妊娠率
・成功すれば反復自然妊娠
 可能
・保険適用
・手術に熟練が必要
・開腹術としての手術侵襲
 (手術創痕も含む)
・手術成功・不成功の判断に
  1〜2年必要
・再手術の成功率は極めて低い
体外受精
胚移植術
・手術侵襲が少ない
・適応が広い
 (複数の不妊因子に対応
 できる)
・不成功でも反復できる
・自然妊娠ではない
・成功・不成功の判断が周期ごと
・成功率が20〜30%程度
・多肢妊娠が起きやすい
・次回の妊娠希望にも治療が
  必要
・保険非適用
(産婦人科研修の必修知識2004,日本産科婦人科学会) 

附:マイクロサージャリーの様子
マイクロサージャリー
手術用顕微鏡を見ながら手術が行われます。
マイクロサージャリー
上のような特殊な手術器具を用いて手術が行われます。 マイクロサージャリー
縫合に用いられる針と糸です。マッチ棒との比較で大きさがわかると思います。
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子宮内腔異常

超音波断層法子宮卵管造影法子宮鏡(ヒステロファイバースコープ)などの検査で子宮内腔に異常が発見された場合は、着床不全の原因となることが考えられるため、治療の対象となります。
後天的な子宮内腔の異常としては、子宮内腔癒着のアッシャーマン(Asherman)症候群、子宮内膜ポリープ、粘膜下筋腫粘膜下筋腫などが比較的多く認められ、最近では子宮鏡下手術を施行する施設も増えつつあります。
先天的な子宮内腔の異常には、種々の段階の形態的異常が存在しますが、弓状子宮や単頚双角子宮などでは子宮鏡下手術や開腹手術(Strassmann手術、Jones&Jones手術)がなされます。

子宮内膜症

子宮内膜症が不妊原因となる理由は、  
  • 卵巣・卵管機能の障害
  • 黄体化未破裂卵胞を含む排卵障害
  • 腹水による腹腔内環境の悪化
  • などが考えられています。
    子宮内膜症に関する診断や治療の詳細は別項を参照して下さい。