山本産婦人科(三重県津市)の肥満の弊害(妊娠高血圧症候群・難産・出血)についてのページです。

妊娠中期の出来事

太っちゃダメってどういうこと!

あなたのためにも、赤ちゃんのためにも、太りすぎは禁物です。なぜなら、いろんなリスクをしょい込むことになるからです。

体重増加で考えられるリスク

    1. 妊娠高血圧症候群などの母体合併症が起こりやすい。
    2. 破水異常が多くなる。
      陣痛がないのに破水が起こったりする(前期破水)。
    3. 分娩時間が延長して難産になりやすい。
    4. 産後の出血量が多くなる。
    5. 吸引分娩・帝王切開を受ける率が上がる。
    6. 赤ちゃんの周産期死亡率が上がる。
    7. 将来の生活習慣病(成人病)になりやすい。
どれをとっても、できればパスしたいですね。パスできるように頑張りましょう!
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では、妊娠中の体重増加はどのように注意していけばよいのでしょうか?
太っている・太っていない”には主観が入ることがあり、案外“自分は普通”と無頓着であったり、“赤ちゃんが大きくなるために2人分食べなくっちゃ”なんて間違った考えを持ったり、ご主人が“ぽっちゃり型のあなたを好き”だったり、いろんな思い込みと自己弁護(?)が弊害となることがあります。やはり、客観的に自分を見つめ直すことが、この際必要でしょう。

理想体重の計算のしかた

まず、妊娠前の体重が基準になるわけですから、妊娠前にご自分がどういう状況にあったかを正確に判断しましょう。
客観的評価には、BMI(Body Mass Index)という身長と体重から求められる数値が役に立ちます。身長はメートル単位、体重はキログラム単位で計算します。
理想体重を求めるのであれば、BMI=22.0が理想体重とされていますので、あなたの理想体重は、22×あなたの身長(m)×あなたの身長(m)で求めることができます。
たとえば、身長163cmの人では、22×1.63×1.63=58.5kgが理想体重となります。

さあ、計算してみましょう! 結果はどうでしたか?

あまり落胆しないように。理想はあくまでも理想です。妊娠中のダイエットはおすすめできません。これ以上増やさない努力でいいんですよ。 大丈夫だった人は“コソッとニンマリして下さい”
このBMI=22.0が理想体重とされるのは、どんな体重の人が、病気になりにくく、死亡率が一番低いかを生命保険会社が調べた結果、22.0であったという経緯によっています。
まあ、“お産が済んでからの目標値”と考えてはいかがでしょうか?
それでは、妊娠中の体重増加の目安はどのように考えたらよいのでしょうか?
まず、体重増加の内訳をみてみましょう。

胎児側の増加分
  出生直前の胎児体重 3.1kg    
  胎盤の重さ 0.5kg    
  羊水の量 0.5kg    
母体側の増加分
  子宮・乳房が大きくなる 1.0kg    
  循環血液が増える 1.5kg    
  組織中の細胞外液が増える 1.5kg    
______________________
    計 8.1kg    
これ以上の増加は、すべてお母さんの“脂肪”です。
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妊娠中の体重増加の目安としては、厚生労働省・「健やか親子21」推進検討委員会が2006年2月にガイドラインを勧告しています。

体格区分別 妊娠全期を通しての推奨体重増加量
体格区分 推奨体重増加量
低体重(やせ)…BMI18.5未満 9〜12kg ##
ふつう……………BMI18.5以上25.0未満 7〜12kg #1
肥満………………BMI25.0以上 5kg 個別対応 #2

体格区分は非妊娠時の体格による。
BMI(Body Mass Index):体重(kg)/身長(m)²
#1 体格区分が「ふつう」の場合、BMIが「低体重(やせ)」に近い場合には推奨体重増加量の上限に近い範囲を、「肥満」に近い場合には推奨体重増加量の下限側に近い範囲を推奨することが望ましい。
#2 BMIが25.0をやや超える程度の場合は、おおよそ5kgを目安とし、著しく超える場合には、他のリスク等を考慮しながら、臨床的な状況を踏まえ、個別に対応していく。

体格区分別 妊娠中期から末期での1週間あたりの推奨体重増加量
体格区分 1週間あたりの推奨体重増加量
低体重(やせ)…BMI18.5未満 0.3〜0.5kg/週 
ふつう……………BMI18.5以上25.0未満 0.3〜0.5kg/週 
肥満………………BMI25.0以上 個別対応


体格区分は非妊娠時の体格による。
BMI(Body Mass Index):体重(kg)/身長(m)²
妊娠初期については体重増加に関する利用可能なデータが乏しいことかなどから、1週間あたりの推奨体重増加量の目安を示していないため、つわりなどの臨床的な状況を踏まえ、個別に対応していく。

落とし穴に注意!
今回の厚生労働省の方針(2006年)では、妊娠中の体重増加の許容範囲が以前に比べてやや緩くなっています。ただし、上表の脚注にあるように、体格区分が『ふつう』と判定された人では、誰でも12kg増加してもよいという意味では決してありません!12kg増加してもかまわないのは、あくまでもBMI値が限りなく18.5に近い人の場合であって、BMIが25.0に近い人が12kg近く増加することは好ましくないのは言うまでもありません。
同様に、BMIが25.0以上の場合では、BMIが25.0を少しオーバーするくらいの人では、体重増加の目安を5kgとしてよいのですが、BMIが25.0をはるかに超える人では、体重増加の制限はさらに厳しくなる可能性があると理解してください。どうか勘違いのないように!念のため。

今回の厚生労働省・「健やか親子21」推進検討委員会の報告は、妊産婦のための食生活指導方針をまとめたもので、約100ページに渡る膨大な内容となっていますが、その骨子は以下の通りです。
(PDFファイルになっていますから、お読みになる際はAdobe Readerが必要です。最新のAdobe Readerはここからダウンロードできます。)

妊娠前から健康なからだづくりを

妊娠前にやせすぎ、肥満はありませんか。健康な子供を生み育てるためには、妊娠前からバランスのよい食事と適正な体重を目指しましょう。
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(PDF 1175KB)


『主食』を中心に、エネルギーをしっかりと

妊娠期・授乳期は、食事のバランスや活動量に気を配り、食事量を調節しましょう。また体重の変化も確認しましょう。
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(PDF 1416KB)


不足しがちなビタミン・ミネラルを「副菜」でたっぷりと

緑黄色野菜を積極的に食べて葉酸などを摂取しましょう。特に妊娠を計画していたり、妊娠初期の人には神経管閉鎖障害発症リスク低減のために、葉酸の栄養機能食品を利用することも勧められます。
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(PDF 1203KB)
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からだづくりの基礎となる「主菜」は適量を

肉、魚、卵、大豆料理をバランスよくとりましょう。赤身の肉や魚などを上手に取り入れて、貧血を防ぎましょう。ただし、妊娠初期にはビタミンAの過剰摂取に気をつけて。
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(PDF 935KB)


牛乳・乳製品などの多様な食品を組み合わせて、カルシウムを十分に

妊娠期・授乳期には、必要とされる量のカルシウムが摂取できるように、偏りのない食習慣を確立しましょう。
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(PDF 989KB)


妊娠中の体重増加は、お母さんと赤ちゃんにとって望ましい量に

体重の増え方は順調ですか。望ましい体重増加量は、妊娠前の体型によっても異なります。
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(PDF 461KB)

母乳育児もバランスのよい食生活のなかで

母乳育児はお母さんにも赤ちゃんにも最良の方法です。バランスのよい食生活で母乳育児を継続しましょう。
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(PDF 453KB)
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たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう

妊娠・授乳中の喫煙・受動喫煙・飲酒は、胎児や乳児の発育、母乳分泌に影響を与えます。禁煙・禁酒に努め、周囲にも協力を求めましょう。
詳細はこちら
(PDF 826KB)


お母さんと赤ちゃんの健やかな毎日は、体と心にゆとりのある生活から生まれます
赤ちゃんや家族との暮らしを楽しんだり、毎日の食事を楽しむことは、からだと心の健康につながります。
詳細はこちら
(PDF 771KB)


食生活指針、女性(母性を含む)のための食生活指針

詳細はこちら
(PDF 885KB)
などとなっています。

手っ取り早く知りたいのであれば、『妊産婦のための食生活指針』のリーフレット
外面(PDF 1076KB) / 内面(PDF 1577KB)
をお読みになるとよいでしょう。
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肥満を防ぐ食生活のポイント

    1. 食事は3食バランスよく、決まった時間にとりましょう。
    2. ごはん・パンなどの炭水化物を控えめに、おかずを重点に、ゆっくりよく噛んで食べましょう。
    3. タンパク質・野菜・海藻類を十分にとりましょう。
    4. 果物はとりすぎに注意しましょう。
    5. 脂肪は、肉類より魚類(青身魚:アジ・サバなど)から、また植物油としてとりましょう。
    6. 甘い物などの間食は控えめにしましょう。
    7. 糖分の多いソフトドリンクは避け、ミネラルウォーター・麦茶などを利用しましょう。
    8. 外食はオーバーカロリー・食塩過多となりやすいので控えめにしましょう。
    9. カロリーの少ない食品を利用して、調理法にも工夫しましょう。
    10. 遅い夕食や夜食はやめて、食事は少なくとも就寝4時間前までに済ませましょう。
    11. それでもダメなら、1日の食事内容(飲物・間食を含め)を書き出し、どこかに落とし穴がないかを反省しましょう。


院長の告白
私は、2年半前になんとBMI=30.7(超肥満)でした。涙ぐましい努力の結果、やっとBMI=22.0が達成できました。以前は患者さんに食事指導をする際、“私が食事制限の話をしてもインパクトないよな〜ぁ”と自然とうつむきかげんになっていましたが、今では少し背スジが伸びてきているようです。
PS:現在リバウンド中で、またうつむきかげんです。