山本産婦人科(三重県津市)の切迫流産・流産・習慣流産についてのページです。

妊娠初期の出来事

流産するってどういうこと?

流産とは、妊娠22週未満の時期に中断してしまう妊娠のことです。妊娠12週未満の流産を早期流産、妊娠12週以降22週未満の流産を後期流産と呼びます。
性器出血(子宮出血)下腹部痛・腰痛をきたして、流産がさし迫った状態を切迫流産と呼びますが、約15%の妊婦さんに見られ、けっしてめずらしい症状ではありません。
切迫流産の症状が出た妊婦さんの半数は、妊娠を継続して元気な赤ちゃんを産むことができますが、残りの半数の妊婦さんでは、残念ながら流産に終わってしまいます。
統計的には、全妊娠の7.5%が流産率ということができます。つまり、100人の女性が妊娠すると、そのうち7〜8人は必ず流産してしまう計算になります。結構多いんですよ!
※上の流産率に関する数字はこれでも少なく見積った統計であって、もっと多い別の報告認められています。

流産の原因としては、染色体異常のような赤ちゃん側の原因が一番多く、生命を維持できないような異常があるときに“自然に流れてしまう”のが流産だと言うことができます。ただし、妊娠14〜15週以降に起きる場合は、子宮の入り口(頚管)の緩み(子宮頚管無力症)が原因(母体側の流産原因)のことがあります。健診は定期的に受けるようにして,子宮頚管に異常がないことを,毎回確かめてもらいましょう。

外来では、「なんとなく下腹部に不快感がある」・「予定していた生理の頃に少量の性器出血があった」などが訴えとしてよく聞かれます。月経開始後4週間半頃(受精後17日頃)に認められる少量の性器出血は、胎盤徴候といって一時的なもので、心配はいりませんが、 なかには 化学的妊娠切迫流産進行流産に移行するものもありますので、受診して医師の指示に従いましょう。

切迫流産の治療の基本は安静です。お勤めの方は、必要に応じて休業しましょう。特に激しい全身運動を伴う作業(スポーツインストラクターなど)、筋力を多く使う作業(物品の集配・保育士・看護師・介護職など)、歩行時間の長い作業(外勤営業など)、長時間の立ち作業(調理師・販売レジ係・工場でのライン作業・美容師など)、精神的負担の大きい作業(納期や締切に追われる設計・開発職や編集作業、対人折衝の多い営業職など)では注意しましょう。自宅療養や入院加療の際には、『母性健康管理指導事項連絡カード』を利用するとよいでしょう。ご相談下さい。


付録:ことばの説明
進行流産 流産が進行し、もはや止めることができないもの。妊娠週数により、処置が必要。
不全流産 胎児(胎芽)や胎盤のもとになる絨毛組織の一部が出てしまったもの。あきらめるよりしかたありません。妊娠週数により、処置が必要。
完全流産 胎児(胎芽)や絨毛組織がすべて出てしまったもの。処置がいらない場合が多い。
稽留流産 胎児(胎芽)が死亡した後も、出血などの流産の症状をきたさないもの。あきらめるよりしかたありません。処置が必要になることが多い。胎芽が吸収されてしまって、空っぽの嚢(胎嚢)だけが残っている場合を、枯死卵と呼ぶ。
感染流産 流産に感染が伴うもの。抗生剤の投与が必要。入院も必要となることが多い。
習慣流産 3回以上流産を繰り返す場合。"不育症"として扱われることもあり、原因追求のため、詳しい検査が必要となる。