山本産婦人科(三重県津市)のノンストレステスト・羊水量についてのページです。

妊娠末期の出来事

赤ちゃんが元気ってどうやってわかるの?

赤ちゃんが元気かどうか」って知りたいですよね。お母さんだけでなく、もちろん、管理する医師の側もそれは同じです。

妊娠末期になると、「赤ちゃんが元気である」ことを確かめるのに、いくつかの検査を行います。健診のたびに40分ほど拘束されて、「何でこんなことするのかな〜ぁ」と思っている方もみえると思います。検査の理由を知れば、この40分が退屈でなくなると思いますので、説明したいと思います。

ノンストレステスト(NSTと略します)

名前の通り、ストレスをかけないで行う検査で、お母さんにも赤ちゃんにも、なんら苦痛を与えることなく行えます。

目的:赤ちゃんが動いた時や子宮の収縮が認められた際の胎児心拍の変化を観察します。

「赤ちゃんが動けば、赤ちゃんの心拍数は増加するはずだ」ということは
わかりますか?
あなたが水泳(手でクロールしたり、足で水をキックしたり)すれば、運動量に応じて心臓はドキドキしますよね。赤ちゃんは羊水の中で、まさに水泳をしているようなものですから、手足を動かした際に、自律神経系が正常に働いて元気であれば、心拍数が増加するわけです。これを反応あり(reactive)=元気!と判断します。逆に心拍数の増加が認められなければ、反応なし(non-reactive)=要注意!と判断されるわけです。検査に40分ほどかかるのは、赤ちゃんは睡眠と覚醒を20〜30分毎に繰り返しているので、たまたま寝ている赤ちゃんでも40分待てば必ず覚醒し、検査の判定が有効になると考えられるからです。
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また、たまたま見いだされた子宮収縮(お産の時のような痛みを伴うものではありません)の際に、赤ちゃんの心拍数がどのように変化するかも観察することができます。

これは、お産の予行演習と考えればわかりやすいと思います。子宮が収縮することは、赤ちゃんにとってはストレスです。なぜなら、子宮収縮によって、子宮をとりまく血管の血液の流れは減少し、それにつれて胎盤の血液の流れも減少するからです。ですから、もしもストレスに耐える予備能力が低下してきている場合は、子宮収縮とともに心拍数の低下(徐脈)などの変化が認められることになるわけです。リスクの高い赤ちゃんの場合は、この予備能力の程度を知る意味で、オキシトシン・チャレンジテストという検査を行うこともあります。これは、お薬によってごくごく初期の陣痛様の子宮収縮を起こし、お産の予行演習を行うことによって、赤ちゃんが本番のお産に耐えうる予備能力をもっているかどうかを判定するテストです。テスト合格なら普通のお産(経腟分娩)・テスト不合格なら安全策の帝王切開術が選択されます。

ノンストレステストが判定可能となるためには、赤ちゃんの脳や自律神経系が発達してきていることが前提条件となります。したがって、ノンストレステストは、妊娠30週以降で信頼性が高まる検査と考えて下さい。
妊娠末期になると、健診のたびに毎回ノンストレステストを受けていただくことになります。予約制ですから、時間通りに来院して下さい。テレビを観たり、音楽を聴いたりしてもよいし、読みかけの雑誌・小説をご持参いただいてもよいでしょう。
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羊水の量

赤ちゃんが元気かどうかの判定には、子宮内の羊水の量も参考になります。羊水は赤ちゃんの“おしっこ”や羊膜からの分泌液として産生され、赤ちゃんが飲み込んで消化器から吸収されることによって均衡が保たれています。赤ちゃんが少し元気でなくなってくると徐々に羊水の量が減少してきますので、子宮からの黄色信号として役に立ちます。実際には、診察の時に超音波で4カ所の“羊水のたまり部分”の深さをcmとして測定し、足し算をしてその合計を求めます。合計が診察のたびに減ってきたり、5cm以下の時は要注意です。

子宮を4分割して、それぞれの位置で測定し、
総和(A+B+C+D)を求めます。

その他、超音波断層法で赤ちゃんの呼吸様運動や体軸の回転運動・屈伸運動を観察したり、超音波ドプラ法で、へその緒の動脈や赤ちゃんの中大脳動脈や子宮の動脈の血流測定を行ったりします。